命の表現者を目の前にして

カテゴリー:いま・ここ・私

公開日:2018.05.16

父…
私には分かる…

「僕の人生に悔いはない」と思っている父の覚悟を…

私には分かる…

「僕の人生で一つだけやりたい事といえば
インドの南の、あの南端の、
あの昔から、
ずっとずっと行ってみたかったあの場所へ、
古い古いあの昔、
あの港から日本と繋がったというあの場所へ行きたい。

そんな場所へ娘が僕の名前の由来で学校を作るというのだから、僕はどうしてもあの場所へ行きたい。

インドへ行きたい。
あの国へ行きたい。

それが出来たら、思い残す事は、
もう何一つない」

そう思っている事を
私はもう、悟っている…

もはや水道管が破裂してしまった私の涙腺からは、溢れ出る涙は止められないが
娘はただ受け取るしかない…

別の表現でこれを描くとすれば
彼は今、このモチベーションを使い
心臓が動くためのエネルギーに変え
「命」という絵の具を使い
彼のストーリーを
表現しつくそうとしており
娘はただそれを受け取り
娘は真っ白なキャンパスになり
彼が存分に描ける手伝いをただしようと
している…

そういう表現になる…

父という芸術的な命の表現者を目の前にして、私は愛を絞り出し、ただ真っ白な真っ白なキャンパスになろうとしている…

悟りを覚えると書く『覚悟』の意味…
どこまでもどこまでも深いと知らされる…

インドに作る学校の意味が
どんどん深くなり
それを思うとまた涙が溢れ出るが
これもまた運命なのだと受け取り
今できる最大限の事を
ただ一つずつ、一つずつ、
父と娘が共同で描く夢を
父と楽しんで、一緒に見ようと思う…

さ〜父よ!!
私が船になり、大海原へ旅に出ようじゃないの!!
貴方の育てた娘は大きな船になってるぞ!!
それが人生をかけた貴方の作品だ!!

【最後に】
世の中には『お金』というツールがある…
例えば会社の資本…
そういうものにもなる『お金』だ…
もちろんお金で価値が上げられる…

ふと思った…
父は私への『愛』を『命』という価値を使い
私の資本を、そっと上げてくれようとしていると…

私の亡くなった母、そして今ここにいる父は、二人とも、そういう人だ…

私もそういう事ができる人として、命の時間を使いたい…

愛情と智慧というのはそういうものだと、ただ思う…

投稿者プロフィール

有川 凛
有川 凛
財団法人RINDA foundation JAPAN創設者/代表理事
株式会社らしゅえっと代表取締役
NPO「恩渡しネットワーク」代表

2014年1月より、「生きやすさ」と「循環(持続可能性)」の2つのキーワードを活動ポリシーに、除菌水シリーズ「まましゅっしゅ」の商品企画、制作、販売。2年連続で「キッズデザイン賞」を受賞し注目を集める。

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