朝、電話が鳴る…

画面を見ると入院中の「父」…

鳴り止まないでという気持ちが
心をゆらゆら慌てさせる…

父の声…
「元気やで、声で分かるやろ？」

間をおいて
『そやな』…

普通の父娘の会話かもしれない…

でも声の奥にある物を
私は見逃さない…

「わかる」から…

あなたのその重なり合う
その「気持ち」が
わかるから…

あなたがなぜ電話をしたのか…

あなたのその重なり合う
その「気持ち」が
痛いほどわかるから…

お父さん…
私は息子たちに
貴方のような深みで
伝えて続けていくのですね…

軽くなりつつある
上っ面のコミュニケーションに
「深さ」は表現できないことを
生きるという「芸」で魅せ

挑むという「肥」で磨かせ
この「極み」を時間をかけて
じっくりじっくり
掴み取らせていくのですね…

コミュニケーションは
言葉ではないから…

その「極み」がわからなければ
その「極み」を感じ得る心のヒダがなければ
「極み」に辿り着けない…

この「意味」がわからない…
この「美しさ」に辿り着けない…

生きるとは
そういうことよと…

あなたのその重なり合う
その「気持ち」が
痛いほどわかる…

彩りがわかる…

これはねお父さん…
天国にいるお母さんが
私を大事に大事に育て
生きる姿勢で悟らせてくれたのよ…

教えたのではない…

厳しすぎる母だったからこそ
掴み取らせてくれたのよ…

大きなプレゼントを
この世に遺してくれた…
自分より未来を生きていく私にね…

モーリシャス Le Morneで見た夕陽…

この美しいサンセットは
「あの世から
母が描いてくれているのね」と
そんな事を感じさせてくれた景色だから
今日は、お父さんにあげるね…

あなたのその重なり合う
その「気持ち」が
痛いほどわかるから…

人はどんな時も
生きるというキャンパスを広げ
描ききっていくのですものね…

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