息子の絵が教えてくれたエンパワーメント

カテゴリー:いま・ここ・私

公開日:2017.05.23

今日の保育園お迎え時の出来事を少し。
保育園にある息子の収納棚。そこで目にした「とあるもの」が私の目を涙で一杯にしました。そして溢れ出た涙は止まりませんでした。

それは・・・息子が一生懸命に描いた何枚もの絵でした。その絵は「母ちゃん!見て!ほら見て!」笑顔いっぱいに私を呼ぶ息子の声が聞こえてきそうでした。

ほんの数ヶ月前までの息子の絵。小さな円やよく分からない形ばかりでした。私が時折描く絵を見て羨ましそうにしていた息子。そんな息子に絵を描くことを上手く教られなかった私。

ただ「目に映るものをよく見て、自由に思うように描けばいいのよ」としか言えませんでした。どう教えればよいのかわからず、その事に薄っすらと無責任さを感じている私がいました。

そして息子の収納棚から出てきたたくさんの絵。そこには忙しさという時間の流れの中で忘れてきた息子の成長という「落とし物」がたくさん入っていました。いつの間にか息子は目の前にある物を彼なりに観察し、彼の目に映るものを彼なりに表現する事ができるようになっていました。

保育園の先生方と目に涙をいっぱいためて、「先生あのね」と、まるで子どものように話す私。嬉しいな〜。あ〜嬉しいな〜。そこには湧力がありました。これこそがエンパワーメントだなと息子から教えられました。息子たちと手を繋ぎ、傘は持っているのに雨に濡れながら家に帰りました。

すると、また発見がありました。使い古しの折り紙に息子が書いた「文字」の羅列。決して文章にはなっていません。上手でもありません。新聞記事やらチラシやら何かを見て真似して書いた文字なのでしょう。

「気持ち」、「業」などがくっくりと書かれていました。彼は今、「漢字」という象形文字に関心があるのでしょう。いいね!興味を持つっていいね!決して上手である必要はない。興味を持ち、ただやってみる息子に私はキュンとしました。

そして彼は言いました。「母ちゃん、これって漢字って言うの?」
うん、うん…私はただ頷いて頭をそっと撫でました。昔…そう…遠い昔…わたしが母にそっと頭を撫でられたように…

投稿者プロフィール

有川 凛
有川 凛
財団法人RINDA foundation JAPAN創設者/代表理事
株式会社らしゅえっと代表取締役
NPO「恩渡しネットワーク」代表

2014年1月より、「生きやすさ」と「循環(持続可能性)」の2つのキーワードを活動ポリシーに、除菌水シリーズ「まましゅっしゅ」の商品企画、制作、販売。2年連続で「キッズデザイン賞」を受賞し注目を集める。

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