インドの貧しい村の現状を知った日

カテゴリー:いま・ここ・私

公開日:2017.12.03

2015年10月に訪れたインドの貧しい村…

あの日、抱きしめて抱きしめて泣いた。
インドで私は何度泣いただろう。

発展すればするほど物価は高騰。労働者の給与はさほど増えず、富はどんどん富裕層に集まる。様々な市場やスーパーの物価は日本とほとんど変わらないのに、ありえないほど薄給なのを聞いてびっくりした。

「どうやって暮らしているの?」
全く想像ができずに私の頭の中はおかしくなる。

インド人パートナーは私にそっと告げる。

リンダ、この人達は一日一食食べられるかどうか。一日二食食べられたら万歳。一日三食なんてとんでもない世界なんだよ

インド人パートナーは貧しい村に工場を持つ。そこは貧しい村だった。そこで働く若い女性が私にとびきりの『チャイ』を出してくれた。レモングラスの味がして、どのチャイよりも美味しかった。

リンダ、この女の子は家庭の為に働かなければならない。兄妹がたくさんいて食べさせなければならない。そんな中、働き手であった彼女の父は数年前に亡くなってしまった。その時、僕は彼女に聞いたんだよ。僕に何かできるかと。そしたら、月給を上げてほしいと返ってきた。いくらだい?と聞けば、あと300ルピーで十分だという。300ルピーだよ。日本円で約600円ほど。だから僕は月給を上げた。

 

リンダ、わかるだろ?あなたと何かをやりたいと僕が思う気持ちもわかるだろ?あなたに見て欲しいものがたくさんありすぎるけれど、これが今のインドの村の現実だよ。あの家を見てご覧。あの小さな小さな家を。あそこが彼女の暮らす家。あの家に親兄弟が8人も住んでいるんだ。

シャワーを浴びれば思い出して泣き、叫びたい気持ちで一杯になり、出す言葉も思いつかず、ただ亡くなった母を思い出し「お母さーーーん」と泣いた。

私はやっていいですか?駒を進めてもいいですか?その資格があるのでしょうか?お母さん、教えて下さい。

そこにはもちろん、答えはない。ただ自分に言い聞かせ信じることしか解はない。

『足るを知り、己を知り、相手を知り、今の自分に出来る事を一つずつ一つずつ前に進めていきますね。家族を一番に大切にして、周りの協力者と手を繋ぎながら一つずつ一つずつ愛情と智慧をもって前へ進めていきますね。お母さん』

残りの命の時間を私はただ大切に、1%の富が集中する世界でその1%人達に買ってもらえる価値ある物を生み出し、そこで得たお金をあるべきところへしっかり循環させていきたい。

その先には教育、そして、マイクロファイナンス、様々なミッションが待っている。どこまで出来るかなんてわからないけれど、出来る事を一つずつ一つずつ着実に愛情深く貫きたい。

素晴らしい協力者とともに。UNIONの人達とともに。

そんな事を思ったあの日…

こうやって綴り、心に残す事が次へ繋がって行くと信じて私はこれを書く…

投稿者プロフィール

有川 凛
有川 凛
財団法人RINDA foundation JAPAN創設者/代表理事
株式会社らしゅえっと代表取締役
NPO「恩渡しネットワーク」代表

2014年1月より、「生きやすさ」と「循環(持続可能性)」の2つのキーワードを活動ポリシーに、除菌水シリーズ「まましゅっしゅ」の商品企画、制作、販売。2年連続で「キッズデザイン賞」を受賞し注目を集める。

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