わからないことの大切さ

カテゴリー:つぶやき,

公開日:2021.02.05

「この本よくわからない」と子どもが持ってきたこの本は、高校生の時に初めて買った詩集。
何で初めてが立原道造だったんだろう?不思議。確か、恩師が「立原道造ぐらい読めよ。ああいうのがいいんだ」って言ったのがきっかけだったはず。当時はもちろん良く理解できず。今も理解できているのかと問われればやっぱりわかってないと思う。けれど今は、正しい解釈が全てじゃないってことを知っている。「わかる」ことよりも「わからないこと」の方が大切なんだと知っている。
振り返ってみると、高校生だったぼくは、解釈できなくても感じることができたんだなと思う。「よくわからないけどカッコいい」って。何かに惹かれる時、意味や価値を理解してから好きになるわけではない。そして「わからないこと」の魅力を感じていたんだと思う。わかったフリをするのではなく、分からないからと捨てるのではなく、「わからない」の中に身を置くことの大切さがわかっていたのかもしれない。素晴らしいじゃん高校生のぼく。
「わからない」の大切さ。これは色んな事に言える。「分からない」という学びの種が学びを面白くする。「分からない」から迷う自由がうまれる。「分からない」から理解を深めることができるんじゃないか?わかったふりをしないで、安易に理解を急がないで、分かるとわからないをいったりきたりしながら育つものがあるんだな。

投稿者プロフィール

トイトイ
トイトイ
ボクは、トイトイ。
ごくふつうの町のごくふつうの学校でせんせいをしている。
「せんせい」と呼ばれるのは少しくすぐったくて、
子どもたちからは「トイトイ」って呼んでもらっている。

ここで話すのは、ボクが子どもたちと一緒に見聞きしたこと。 学んだこと。考えたこと。
そんな何気ない日常のひとかけら。
ごくふつうの日々だけど特別で大切な言葉で綴られた物語。

【とし】「お兄さん」から「おじさん」と呼ばれるようになってきたぐらいの年。
【すき】あるく。ラムネ。本。料理。
【きらい】すぅーっとするもの。
【学ぶ】ことば。てつがく。

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