毎朝ボクは、読み聞かせからスタートするようにしています。
それはただ純粋に「絵本が好き」ということもありますが、読み聞かせからスタートすることでいいことが三つあります。
まずは一つめ
「ゆるやかに朝をスタートできること」
学びの場に集まってきて「さぁ、勉強!」となるとなかなか気持ちは上がりません。
また、「さぁ、楽しく!仲良く!ゲームからスタートしましょう!テンションあげて行こう!」なんてことも以前はやっていましたが、それもちょっとしんどい時(子)もある。
最終的には、個人の好みなのでしょうけど、ボクの場合は読み聞かせのゆるやかさがちょうどいいです。
何がいいって、読み聞かせは聞いたフリができます(笑)読み聞かせの声をバックサウンドにぼーっと考え事していてもいいです。
そういえば「私はtoitoi先生の読み聞かせの声が好きなんだよね。中身はあんま覚えてないんだけど、あの眠くなる感じがいいんだよね。落ち着く」
なんて伝えてくれた6年生女子もいました。確かに、読み聞かせは絵本を楽しむだけが全てではないのかも・・・
もちろん前のめりに聞いてもいい。こうやって参加の度合いを選べることがいいゆるやかさを作り出してくれます。ゆっくりゆっくり体と心を調整していくそんなスタートが切れるのが読み聞かせのいいところです。
二つめは
「一体感を感じられること」
みんなで一冊の絵本の世界に浸ることができる。同じ物語を共有できる。このことは子供達の安心にもつながります。先ほどの参加の度合いにも重なりますが、その場にいるだけ、耳を傾けているだけでもちゃんと同じ空間にいることになる。その一体感がとっても大事だと思います。
三つめは
「読む力がつく、読むことが好きになる」
読み聞かせをしながら時折、「この続きはどうなると思う?」「どうしてこんな事しちゃったんだろうね」なんていう風に質問を織り交ぜていきます。
すると子供達は自分の思いや考えを自由に返してくれます。「近くの人と話してみて」なんていう風に小さなおしゃべりを挟むこともあります。これって、もう立派な「読みの授業」です。読む面白さや読みの視点を(もちろんそれだけを目的にしていませんが)養うことができます。
また、読み聞かせが好きになると、本を読むことが好きになります。読み聞かせの積み重ねの向こうには、同じ本を読んでおしゃべりをするブッククラブや日々のリーディングの学びにつながっていきます。読むことでつながり、つながることで読めるようになる。その素地が読み聞かせにはあります。
そうそう、読みながら子供達はいろんな姿を見せてくれます。ボクは、子供たち一人一人の表情、姿勢を見ながらその子の調子を探ったりもします。
あと、意図的に一人の子に目を合わせるようにして読んだりもします。「ちゃんとあなたのことを見ているよ」なんていう言葉じゃないメッセージです。
・・・あら、結局3つにまとまりませんでしたが、これはどれも重なり合っています。こんな読み聞かせの力をぐるぐるまわしながらボクは学びの場や関係を整えているんだなぁと思います。
さて、明日はどんな本を読もうかな。
投稿者プロフィール
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ボクは、トイトイ。
ごくふつうの町のごくふつうの学校でせんせいをしている。
「せんせい」と呼ばれるのは少しくすぐったくて、
子どもたちからは「トイトイ」って呼んでもらっている。
ここで話すのは、ボクが子どもたちと一緒に見聞きしたこと。 学んだこと。考えたこと。
そんな何気ない日常のひとかけら。
ごくふつうの日々だけど特別で大切な言葉で綴られた物語。
【とし】「お兄さん」から「おじさん」と呼ばれるようになってきたぐらいの年。
【すき】あるく。ラムネ。本。料理。
【きらい】すぅーっとするもの。
【学ぶ】ことば。てつがく。
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