看護と介護が両方になるとは

カテゴリー: ─ いま・ここ・私

公開日:2018.08.27

看護の手助けがいただける『病院』と
場合によっては
介護の手助けがいただける『介護施設』が
同時に必要になる…

父に関して言うと、私たちは我が家で一緒に生活をしたかったけれど、主治医の先生や父とも相談した結果、結論としては退院後直ぐに、家から15分程の所にある介護施設を選んだ…

と言うのも、退院した時期が冬場で息子二人は保育園児だったが園ではインフルエンザや流行病の流行真っ只中だったこと…

我が家はマンションで、万が一の時、父を隔離できる部屋がなく、そのため招き入れる事の危険性の方が先に立ち、介護施設を選ぶのがその時の最善だと考えたためだった…

昨日の日曜は、父がお世話になっていた介護施設に、退去の為の片付けとご挨拶をしに行った…

すると父の部屋は個室だったので、そこには父の好きなもので溢れかえっていた…

趣味の多い彼が趣味を楽しめるために道具を色々と持っていっていたし、少しでも明るくて心地よい環境をなるべく作ってあげたかったので、私なりに色んな演出をしたからだ…

「父が見て明るくなるような絵」を飾ったり、「夢拓工房の道具類」を京都から運んだり、父の好きな「ISSAY MIYAKE」の服を何着かプレゼントしたり、父が腰掛ける父の体に合わせた「手作り椅子」をプレゼントしたり、肌触りの良いタオルや服、寝具もシルクの毛布などにも拘ってプレゼントしたり…

だから彼らしさと私の気持ちが溢れかえっていた…💗

『あ〜、もう、ここにはいないのだな』
と思うと同時に込み上げてくるものはあったが、振り切って必死に片付けていた…

そんな中、施設の方が
「もし、服やタオルやオムツや布団など、処分に困る場合は、遠慮なくここに置いて行ってくださって大丈夫ですからね!!逆に有り難いです!!」という声がけがあった…

私には有り難い言葉だったが、「とは言っても、あまり置いていってもご迷惑になるだけなのではないか?」と、家で使えない物はゴミ袋に入れていたら、お手伝いくださった方からこんな声が聞こえた…

「捨てるなら、それ全部、使わせて貰っていい?」と…

「雅ちゃんは、本当に幸せだったと思うわ…
雅ちゃんのは、とても上質な肌触りの良い服やタオルばかりだったでしょ。
施設には一切、家から何も持って来ない方もいるの。だから、そういう方々に、まさちゃんの物はとても喜ばれると思うから使わせて!!」

私はその言葉にハッとして、父の遺品がそういう好循環を産むのであれば、是非とも使っていただこうと、私が父にプレゼントした心地よい物の殆どを施設に置いて行った…

「施設には、家族が来られる方は少ないですよ」とは聞いていた…

私は絶対条件として施設が家から15分と近い所を選んだ事、そして病院への通院もあり、私だけでなく家族や友人など、それなりに出入りしていたが、確かに振り返ると私たちが施設に行く際、別の入居者の家族を見ることは一度も無かった..

片付けをしながらふと、友人がシェアしていた次の記事を思い出した…
https://zenbukokona.hatenablog.com/entry/2018/08/17/232912

人生100年時代と言われる今、病院や介護施設が、昔とは姿を変え、現代風の姨捨山になっているという話…

「言い分は全てが正論であり、現世においての学びの取捨選択レベル=生き方が異なるだけ」と捉える私は、ただその現状と心の在り方に、物悲しさを感じた…

そして丁重に御礼を申し上げて、施設を後にする…

私は今、知っておかなければならない学びを、父があの世へ旅立っても尚、父のお陰で、こうして頂けている事に、ただただ感謝して…🍀

投稿者プロフィール

有川 凛
有川 凛
財団法人RINDA foundation JAPAN創設者/代表理事
株式会社らしゅえっと代表取締役
NPO「恩渡しネットワーク」代表

2014年1月より、「生きやすさ」と「循環(持続可能性)」の2つのキーワードを活動ポリシーに、除菌水シリーズ「まましゅっしゅ」の商品企画、制作、販売。2年連続で「キッズデザイン賞」を受賞し注目を集める。

Copyright © 有川凛の公式ブログ『日々是好日』 All Rights Reserved.

ページTOP