「世界をぐるり!物語づくりリレー」(以下、物語づくりリレー)は、「リンちゃんとダーリンの大冒険」のお話の続きを、世界中の子どもたちが1話完結の物語としてリレー形式で繋いでいく終わりのない絵本づくりのプログラムです。
様々な国のそれぞれの子どもたちの豊かな発想と感性で、物語はひろがり続けます。
はたして物語がどのように展開して広がっていくのか?
それは誰にも予測できませんが、子どもたちが紡ぎ出す物語の中には、豊かな発想と未来への希望が詰まっています。
物語づくりリレーを通じて、子どもたちは、身の回りや地球上の困りごとに目を向け、解決策を探しながら「本当の豊かさ」や「本当の幸せ」について考えていきます。
このプログラムは、個人やグループでも、学校単位でも参加可能です。
もしかすると「RIN&DA WE」Program1(21世紀スキル育成プログラム)のCASE1で取り組む「絵本つくりワークショップ」の授業で創り上げた絵本のストーリーが本屋さんに並ぶ日が来るかもしれません。
また、物語づくりリレーは、私たち大人がこれからの時代をつくる子どもたちに贈るギフトの一つでもあり、RINDA foundationがミッションとして掲げる「Education・Equity・Ecology」という「3つのE」の中の「Education」の取り組みでもあります。
現在、進行中の物語づくりリレーでは、すでに東京都世田谷区に住む9歳の女の子が第一話を書き上げ、第二話の制作にも日本の小学生たちがチャレンジしています。そして子どもたちからひろがる物語を、それぞれの物語の世界観に合わせた絵本作家が、一冊ずつ丁寧に絵本に仕上げていきます。
海の底を目指して泳いでいくと、岩のかげにかくされている大きなつぼを見つけました。
つぼの中はキラキラと、にじ色にかがやいています。
「ついに見つけたわ!まほうのコインよ!!」
リンちゃんとダーリンが、つぼに近づいて手を入れようとしたとき、
「そこで何をしているんだい?それは私のつぼだよ。」
と、声がしました。
ふりかえると、大きなタコがユラユラと泳いで来ました。
「私たち、ねがいがかなう“まほうのコイン”をさがしているの。このつぼの中のものを見せてもらえないかしら?」
「まほうのコインだって?」
と、タコはおどろきました。
「このつぼの中には、私が見つけた大切な宝ものが入っているんだよ。」
そう言って、タコはつぼの中のものを、そっととり出しました。
キラキラと、にじ色にかがやいていた宝ものは、
つぼから出すといっそう光りかがやき始めました。
リンちゃんとダーリンが、いろんなキャラクターに助けられながら、
朝日にきらめく山や夜の森や海の底に「まほうのコイン」を探しに行く第一話。
このワクワクする物語は、世田谷区に住む小学3年生(当時)の「本間響」ちゃんが書き上げてくれました。
挿絵を担当するのは、人気絵本作家の「さこももみ」さん。
現在、響ちゃんの物語の世界を素敵に描いているところです。
1961年東京都生まれ。小学校教員を経て絵本作家に。
絵本に、「ゆっくとすっく」シリーズ(たかてらかよ/文 ひかりのくに)、『ねんね』『さよならようちえん』『おじいちゃんちのたうえ』『うさぎでうれしいうさぎはうさぎ』(講談社)、『だいすき!』(岩崎書店)、『かたっぽさんはどこですか?』(アリス館)他多数。2016年より、米オハイオ州のマッザミュージアム(Mazza Museum)に、日本人作家3人目として原画が展示されている。
アメリカのイラストレーションコンペティション3×3 Picture Book Show No.15(2018年度)に入選。
広島市在住。